【第2種電気工事士】取得解説 Vol.13 筆記編11 三相交流について その1

今回は三相交流について解説していきます。

導入編や以前の記事を読まれていない方は、まずはそちらの記事をご覧ください。

目次

三相交流とは

三相交流は、単相交流を3つを120°ずつ位相をずらして接続したもの、簡単に言えば、位相の違う電源3つをガッチャンコしたものです。

位相については、こちらの記事をご覧ください。

三相交流は、単相に比べて少ないコストで単相3個分の電力を送る事ができます

一般的には電源と負荷を3本の線で接続し、3Φ3W(三相三線式)と表記されます。

三相交流の回路図

三相交流は、Y結線(ワイ結線またはスター結線)とΔ結線(デルタ結線)があります。

次の図は一般的な三相交流の回路です。

上が電源のY結線とΔ結線、下が負荷のY結線とΔ結線です。

特に記載がなければ3つの電源の大きさや負荷の大きさは同じになります。(平衡三相回路)

三相交流の電圧と電流の名前

三相交流は電圧のかかっている位置、電流の流れる位置によってそれぞれ呼び名があります。

Y結線

次の図はY結線(Y-Y結線)の回路です。

Ea、Eb、Ecの3つの電源から出た電流は、Ia、Ib、Icとして3つの負荷Zにそれぞれに流れます。

Ea、Eb、Ecをそれぞれ相電圧と言います。負荷のZに相電圧がそれぞれかかります。

EaとEb間を結んだ電圧Vabを線間電圧と言います。Vbc、Vcaもそれぞれの線間電圧です。

それぞれの電源から流れ出る電流Ia、Ib、Icを線電流と言います。

電源側および負荷側の3相の接続点(黒い中心の丸部分)を中性点と言います。

電源側と負荷側の中性点を結んだものを中性線といい、線でつないだ場合は三相四線式になります。

平衡三相回路なら電流は流れません。また、Δ結線にはこのような中性点はありません。

Y結線の場合、負荷Zに流れる電流(相に流れる電流)は線電流と同じ値が流れます。これを相電流と言います。

相と線の関係は次の通りです。

$$相電圧=\frac{線間電圧}{\sqrt{3}}$$

$$相電流=線電流$$

ここで、突然現れた\({\sqrt{3}}\)について、ベクトルで解説します。

電源はぞれぞれ120°ずつずれています。EbはEaより120°遅れ、EcはEbより120°遅れています。
※遅れは時計回りです。

電流Ia、Ib、Icは一般的には遅れ負荷なので、θ°それぞれの相電圧より遅れています。

EaーEb間のVabは、以下の式となります。

$$\dot{V}_{ab}=\dot{E}_a-\dot{E}_b$$

下図はEaとVabに関係する所だけ抜き出したベクトルです。

赤い矢印の三角形a-b-cの長さの比は、1:\({\sqrt{3}}\):2になります。

比を当てはめると、bの長さはcの\({\frac{\sqrt{3}}{2}}\)になります。

Vabはbの長さの2倍ですので\({\sqrt{3}}\)、cの長さの\({\sqrt{3}}\)倍、

\({V_{ab}=\sqrt{3}}Ea\)、\({E=\frac{V}{\sqrt{3}}}\)が出ました。

Δ結線

続いてΔ結線(Δ-Δ結線)の回路です。

今度は先ほどのY結線とは逆のパターンです。

$$相電圧=線間電圧$$

$$相電流=\frac{線電流}{\sqrt{3}}$$

なぜΔ結線の電源はショートしないのでしょうか。

これは、交流で120°ずつ位相が変化しており、Δ結線の\({\dot{E}_a}\)と\({\dot{E}_b}\)を足したものは、\({-\dot{E}_c}\)となり、つまり、\({\dot{E}_a+\dot{E}_b+\dot{E}_c=0}\)になり、1周回ってゼロになるからです。

Y結線で同じように電源の出口を接続してしまうとショートしてしまうので、絶対にやってはいけません。

三相交流の電力の式

三相交流の電力の式は次の通りです。

$$P=\sqrt{3}VI\cos\theta$$

※V:線間電圧、I:線電流

ここでまた\({\sqrt{3}}\)が出てきました。

三相交流の回路は単相交流を120°ずらしてガッチャンコしたものだと説明しました。

単相交流の電力は以下の式になります。
※紛らわしいので単相電力をP、三相電力をPとします。

$$P_1=VI\cos\theta$$

ここでいうVは、単相の場合線が2本ですので、線間電圧=相電圧です。

Eに置き換えましょう。

$$P_1=EI\cos\theta$$

三相交流は単相3つ分なので、

$$P_3=3\times P_1$$

$$=3\times EI\cos\theta$$

となります。

ここで、相電圧Eを線間電圧Vに変換します。(\({E=\frac{V}{\sqrt{3}}}\))

$$P_3=3\times\frac{V}{\sqrt{3}}I\cos\theta$$

分母の\({\sqrt{3}}\)を消して、

$$=3\times\frac{V\times\sqrt{3}}{\sqrt{3}\times\sqrt{3}}I\cos\theta$$

$$=\sqrt{3}VI\cos\theta$$

となりました。

まとめ

今回はベクトルなど、ちょっと難しい内容になってしまいましたが、ベクトルの内容まで覚えなくても、Y結線とΔ結線の特徴と式はしっかり覚えましょう。

次回も三相交流について解説致します。

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