【第2種電気工事士】取得解説 Vol.12 筆記編10 交流回路の基礎3

今回は単相三線式の交流回路について解説していきます。

導入編や以前の記事を読まれていない方は、まずはそちらの記事をご覧ください。

目次

単相交流とは

単相交流とは、読んで字のごとく、1つの相で構成された交流です。以下のような回路です。

電源が一つなので相(電気の波)は1つしかありません。

単相三線式とは

今までの回路は単相で2つの線を用いていました。つまり単相二線式です。

一般的な住宅の引き込みの多くは、単相三線式となっています。

単相三線式とは、1つの相、つまり1つの電源で3つの線を使った接続の様式です。

第2種電気工事士の試験では、以下のような回路図で表される事があります。

この回路は電源が無いように見えますが、左側の誘導性リアクタンスのコイルが、変圧器の一部となり電源になります。

上図は左から交流電源、一次側コイル、鉄心(黄色い資格)、二次側コイルのイメージです。

一次側コイルに電流が流れると電磁石になり、交流電源ですので磁力が変化します。

二次側のコイルでは、磁力の変化により電圧が発生します。試験問題ではこのコイル(誘導性リアクタンス)は電源だと思っていただいてOKです。

一般的に変圧器の一次二次の表現は、電圧の大きさではなく電源側が一次側、負荷側が二次側になります。

変圧器は電圧を下げるものだけではなく、電圧を上げるものもあります。

単相二線式よりオトク

先ほどの単相三線式の回路図を単相二線式に分けて書くと下図のイメージになります。

単相2線式を3つ作るより、単相3線式1つなら引き込み線の本数を減らすことができオトクです。

接地線の意味

一般的な単相三線式の回路は次の図のようになります。

ベクトルは以下のようになります。

接地線はEaの先頭についていますので、アースの基準はこの点になります。つまり、地球の上に立っている人はbの電位になります。

a,b,cの箇所で、それぞれの電位差を考えてみます。

bでは、アースに直接つながっているので電位差は0[V]です。(対地電圧0[V])

aでは、アースと電位差100[V]です。(対地電圧100[V])

cでは、アースと電位差100[V]です。(対地電圧100[V])

という事は、bに触れても感電しないがa、cは100[V]感電するという事です。

対地電圧は150[V]以下にしなければいけませんが、真ん中のbを接地する事で200[V]を含む回路でも対地電圧100[V]にすることができます

単相三線式における電線路の損失について

下図の回路における電線路の電力損失について考えてみます。

線路上の3か所に0.2Ωの抵抗があります。これを線路の抵抗としましょう。

負荷に電力を供給するとき、この線路抵抗にも電流が流れますので電圧降下が発生し、望まぬ電力が消費されてしまいます。

電流は下図の通り流れます。

a-b間で流れるI、b-c間で流れるI、a-c間で流れるIです。

線路抵抗rに流れる電流に注目してください。

ここはIとIがぶつかっています。

線路抵抗が全て同じで、負荷a、負荷bが同じならI=Iとなり、rには電流は流れません。

の電線が断線したり、負荷のバランスが変わったりするとrには電流が流れます。

各線路抵抗に流れる電流は以下の通りです。

に流れる電流 = I+I

に流れる電流 = IーI

に流れる電流 = I+I

損失の電力は、電力の式通り、

$$P=I^2r$$

※P:線路の電力損失(線路抵抗による電力)[W]、I:線路に流れる電流[A]、r:線路抵抗[Ω]

となります。

上記の式は電線路1本分になりますので、回路の本数分計算する事を忘れないようにしましょう。

送電ロスを抑えるために、発電所で発電した電圧をわざわざ変圧器で高い電圧にして送電しています。
(I2rなので、電圧を上げて電流を下げればロスが少なくなる)

送電線の送電ロスは全体の電力の5%前後です。5%が無駄になると思うと結構大きいですよね。

もし超電導の技術をうまいこと使えるなら(うまいこと安く抵抗をゼロに)、送電コストが下がり電気料金も下がると思いますが、現実的には極めて難しいでしょう。

計算してみよう

過去の問題を解いて、理解を深めていきましょう。

一般財団法人 電気技術者試験センター様ウェブサイト』に掲載されているものを引用しました。
尚、記号や図などについては加工しています。

令和3年上期午後№6

図のような単相2線式回路で、c-c’間の電圧が100Vのとき、a-a’間の電圧[V]は。
ただし、r及びrは電線の電気抵抗[Ω]とする。

イ.101 ロ.102 ハ.103 ニ.104

解答と解説

答え:ロ

末端の抵抗負荷100Vの方から計算していきましょう。

b-c間の抵抗r2には5A流れていますので、ここにかかる電圧は、5A×0.1Ω=0.5Vとなります。

同じようにb’-c’間の抵抗r2は0.5Vになります。

b-c-c’-b’の電圧を計算します。直列回路なので、0.5V+100V+0.5V=101Vとなります。

同じ要領でa-b間、b’-a’間も求めていきます。

a-b間の電流はb-b’間の電流の合計ですので、5A+5A=10A流れています。

a-b間のrにかかる電圧は、10A×0.05Ω=0.5Vです。

同じようにb’-a’間の電圧は、0.5Vとなります。

a-a’間の電圧は0.5V+101V+0.5V=102Vとなります。

令和3年上期午後№7

図のような単相3線式回路において、消費電力100W、200Wの2つの負荷はともに抵抗負荷である。図中の×印点で断線した場合、a-b間の電圧[V]は。
ただし、断線によって負荷の抵抗値は変化しないものとする。

イ.67 ロ.100 ハ.133 ニ.150

解答と解説

答え:ハ

真ん中の線が断線することにより、下図のようになります。

単に2つの負荷に200Vかかる回路になりました。ただし、問題文にある消費電力は変わってしまうので無視しましょう。

合成抵抗を算出して電流を求め、抵抗にかかる電圧を求めても良いのですが、面倒なので電圧の比率で計算しましょう。

直列回路ですので、電圧200Vは100Ωの抵抗と50Ωの抵抗で分散されます。

分散される割合は抵抗値の比ですので、100:50でかかります。

計算すると、

$$200\times\frac{100}{100+50}≒133$$

となり、答えは133Vになります。

まとめ

回路が少し複雑になってきましたが、落ち着いて今までの解説内容を当てはめていけば解くことができると思います。

次回はいよいよ三相交流の解説に入っていきます。

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