【第2種電気工事士】取得解説 Vol.9 筆記編7 交流とは何か

今回は交流とは何か詳しく解説していきます。

導入編や以前の記事を読まれていない方は、まずはそちらの記事をご覧ください。

目次

交流と直流

今まで解説してきた直流と交流について何が違うのか端的にいうと、
直流電圧の大きさと向きが変わらない
交流電圧の大きさを向きが変わる
という事です。

下図は直流と交流の時間的な変化を表したものです。

直流は時間が経過しても大きさは変わりませんが、交流はプラスになったりマイナスになったり変化しています。

交流はいろいろな波形のものがありますが、上図は一般の家庭用コンセントなどにかかっている『正弦波』というものです。

さらに、交流の世界では直流の世界とは違い、様々な不思議な現象が起きます

例えば、

抵抗(今まで解説してきた抵抗ではなく別次元の抵抗)を直列で接続しても抵抗が減ってしまったり

条件によって、電源から出た電圧(送電端電圧)が負荷に届いた時の電圧(受電端電圧)が高くなる(送電端電圧<受電端電圧)、

といった直流回路では考えられなかった現象が起こります。

なぜプラスになったりマイナスになったりと面倒な交流を使っているのかというと、電圧変換が容易というのが一番大きな点だと思います。

また、原子力、火力、水力発電所などの大きな発電機から出るのは交流です。(磁石を回転させて発電するもの)

電気が世の中で使われるようになる過渡期では、直流派と交流派で争っていたようですが、3つ分の電気を3本の線で送電できるなど交流の方がメリットが多く直流送電は駆逐されてしまいました。

しかし、直流にも良いところがあり一部の送電(本州と北海道の接続)には現在も直流が使われています。
(詳しくありませんが、一部の電車の架線は直流のようです。)

交流の波形

先ほどの図のように、交流は時間とともに電圧が変化します。

ここでは用語について解説していきます。

実効値について

実効値Vは最大値Vmを√2で割ったもの。電圧計の指示値は実効値が表示されます。試験などで特段の記載がなければ、電圧と言ったらこの値です。

最大値と実効値の関係は次の通りです。

$$V=\frac{Vm}{\sqrt{2}}$$

周期と周波数について

周期:山と谷でワンセットの組み合わせで、1サイクルとなります。1サイクルの時間の長さを表しています。(t[s])

周波数:1秒間に何周期あるかを示したものです。50[Hz]の場合、1秒間に50のサイクルがあります。(f[Hz])

周期と周波数の関係は次の通りです。

$$f=\frac{1}{T}$$

50Hzの場合、1サイクルは0.02[s]です。0.02秒で山と谷が作られます。

1サイクルは0度から360度の角度(°)で表します。0.02秒で1周するイメージです。

角度にすると、交流を分かりやすいベクトルに置き換えられます。(ベクトルは今後解説していきます)

角度の別の表し方として、ラジアン(rad)があります。

ラジアンは弧度法と言って、180度がπ、360度が2πとなります。

日本の電力系統は主に東側が50[Hz]、西側が60[Hz]となっています。

これは、日本が発電機の技術を取り入れたときに、西側(アメリカの60Hz)と東側(ヨーロッパの50Hz)で取り入れ先が異なり普及していったためです。

この50Hzと60Hzの電気は混ぜることはできず、厄介な問題になっています。

東日本大震災の時に50Hz系統(関東)の電気が足りなくなり西日本側から電気を融通してもらう、という話がありましたが、簡単な事ではありません。

融通するには、60Hzの電気を一度直流にしてから50Hzにする設備が必要で、条件や容量など限られているからです。

今でこそ家電製品の多くはどちらの周波数でも動くようにできていますが、数十年前までは周波数の指定がありました。(東京で使っていた蛍光灯は大阪では使えないなど)

震災当時、テレビのコメンテーターが『そんなの簡単ですよ!発電所の調速機の設定を変えればいいだけなんですから。なぜ電力会社はそうしないんだ、怠慢だコノヤロウ!』(怠慢だコノヤロウとは言っていなかった気がします)と言っていましたが、そんな簡単な話ではありません。

調速機の設定を変える事で、50Hzの同期発電機を60Hzで発電する事は可能です。

しかし、これにより電気回路の設計を見直し、リレーなどの設定変更を行い、多くの部品は取り替えが必要になるでしょう。

また、機械的には発電機の回転数が変わる事により、振動や冷却関係、軸受まわりなど、あらゆる面で検討と対策に膨大な時間とお金がかかるでしょう。

技術的には可能ですが、現実的には現状では到底無理でしょう。

よほど画期的な技術革新などない限り、今後何十年も解決しないと思います。

まとめ

今回は直流と交流の違いについて、大雑把ですが解説してきました。

今回は大雑把に理解していただく程度で構いません。

次回から交流回路について深堀していきます。

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