【第2種電気工事士】取得解説 Vol.8 筆記編6 過去問題チャレンジ(令和4年)

今回は令和4年の過去問題の一部を解説します。

過去問題については、『一般財団法人 電気技術者試験センター様ウェブサイト』に掲載されているものを引用しました。
尚、記号や図などについては加工しています。

今回扱う問題は、

  • 令和4年度上期午前 1
  • 令和4年度上期午前 3
  • 令和4年度上期午後 1
  • 令和4年度上期午後 2
  • 令和4年度上期午後 3
  • 令和4年度下期午前 1
  • 令和4年度下期午前 3
  • 令和4年度下期午後 1
  • 令和4年度下期午後 2
  • 令和4年度下期午後 3

です。

導入編や以前の記事を読まれていない方は、まずはそちらの記事をご覧ください。

また、今回の問題は直列、並列の概念が重要です。

確認したい方は、こちらも併せてご覧ください。

目次

令和4年度上期午前

№1

図のような回路で、電流計Aの値が1Aを示した。このときの電圧計Vの指示値[V]は。

イ.16 ロ.32 ハ.40 ニ.48

解答と解説

答え:イ

問題文にある電流計の指示値がミソになります。これを足掛かりに解いていきます。

上図の青部分の直列回路には1[A]流れています。

という事は、オームの法則で8[Ω]の抵抗には、1[A]×8[Ω]で8[V]がかかっています。

上下に並列に接続されている回路にも同じく8[V]かかります。(並列接続は同じ電圧がかかります)

同じ電圧8[V]がかかる事が分かったので、上下の抵抗に流れる電流を計算していきましょう。

まずは下図の通り、上の抵抗(青色の部分)から計算していきます。

抵抗が2つあるので合成しましょう。直列なので、4[Ω]+4[Ω]=8[Ω]になります。

オームの法則で電流を求めると、8[V]÷8[Ω]で、1[A]となります。

同じように下の抵抗に流れる電流も計算します。

オームの法則で、8[V]÷4[Ω]で2[A]となります。

並列部分の電流がそれぞれ分かりました。合計すると1[A]+1[A]+2[A]で、4[A]の電流となります。
(並列接続の場合は、並列回路の入口で電流は分散され、出口で合流します。)

回路全体に流れる電流(4[A])が分かりましたので、下図の青い部分の抵抗4[Ω]の電圧が計算できます。

電圧計の指示値は、オームの法則により4[A]×4[Ω]で、16[V]の電圧がかかっています。

電圧計の指示値は、イの16[V]となります。

№3

抵抗器に100Vの電圧を印加したとき、5Aの電流が流れた。1時間30分の間に抵抗器で発生する熱量[kJ]は。

イ.750 ロ.1800 ハ.2700 ニ.5400

解答と解説

答え:ハ

1[J](ジュール)は、電力と時間をかけたもので、1[J]=1[Ws]でした。

まずは、電力を求めていきましょう。

$$P=100[V] \times 5[A]=500[W]$$

次に時間を整理します。

時間は、1時間30分を分にすると90[min](60×1.5)、秒にすると5,400[s](90×60)です。

算出した電力と時間をかけます。

$$Q=500[W] \times 5,400[s] =2,700,000[J]=2,700[kJ]$$

熱量は、ハの2,700[kJ]となります。

令和4年度上期午後

№1

図のような回路で、スイッチSを閉じたとき、a-b端子間の電圧[V]は。

イ.30 ロ.40 ハ.50 ニ.60

解答と解説

答え:ハ

一見複雑な回路ですが、一つずつ見ていくと大した事はありません。
スイッチの開閉と、スイッチSの上の抵抗、端子aの抵抗が混乱させていますが、これらは無視できます。

まずは、スイッチSから見ていきましょう。

スイッチSを閉じると次の図のようになります。

スイッチSと並列に接続されている30[Ω]の関係に困惑するかもしれませんが、前回の『電線の鳥はなぜ感電しない?』が分かりやすいです。

まだ読んでいない方はこちらからどうぞ。

電気も人間と同じで楽な方に流れます。抵抗があるルートと抵抗が無いルートでは、抵抗が無いルートに全振りして流れます。

つまり、スイッチSがオン(閉じる)になった時点で、スイッチSの上にある抵抗30Ωは、存在が無いのと同じになります。(電流が流れないので)

整理すると、以下の図になります。

少しすっきりしました。

続いて、a-b端子を見ていきましょう。

数の通り、a-b端子間には何も接続されていません。

つまり、電気は全く流れません。

この全く電気が流れない回路に30[Ω]接続しても意味はありますでしょうか。いえ、ありません。

という訳で、30[Ω]は無視して外しちゃいましょう。

大分すっきりしてきました。

a-b端子間の電圧がどのくらいかが問題なので、電圧計を取り付けてみました。

ここまでくれば、オームの法則を使って電圧を計算することができます。

ここでワンポイントです。

合成抵抗を計算して電圧で割って電流を算出し、抵抗値をかけても良いのですが、計算が面倒です。
(合成抵抗:30[Ω]+30[Ω]=60[Ω]、電流:100[V]÷60[Ω]=1.66666….[A]、電圧:1.67[A]×30[Ω]=50.1[V])

そこで、抵抗の割合に着目しましょう。

下図のとおり、抵抗は丁度50:50の割合で接続されています。

という事は、電圧が50%ずつ印加されるという事です。

あとは100[V]の半分で50[V]印加される事が簡単に分かります。

電圧は、ハの50[V]となります。

№2

抵抗率ρ[Ω・m]、直径D[mm]、長さL[m]の導線の電気抵抗[Ω]を表す式は。

$$イ.\frac{4\rho L}{\pi D^2}\times 10^6  ロ.\frac{\rho L^2}{\pi D^2}\times 10^6$$

$$ハ.\frac{4\rho L}{\pi D}\times 10^6  ニ.\frac{4\rho L^2}{\pi D}\times 10^6$$

解答と解説

答え:イ

抵抗の式は次の通りです。

$$R=\rho\frac{L}{A}$$

※ρは抵抗率[Ω・m]、Lは長さ[m] 、Aは断面積[m2]

問題文との違いは、問題文には直径D[mm]があり、抵抗の式には断面積A[m2]があります。

同じメートルの単位なので、何かできそうです。

断面積A[m2]は次の式です。

$$A=r^2\pi$$

※rは半径[m]

半径は直径の半分なので、直径/2をrに代入すれば展開していきそうです。

しかし、ここで注意が必要です。

先ほどの直径Dは単位がmm(ミリメートル)です。

ミリメートルからメートルへの換算を忘れないようにしましょう。

※1[mm]=0.001[m]=10-3[m]、1[m]=1,000[mm]=103[mm]

rは次の通りとなります。

$$r=\frac{D\times 10^{-3}}{2}$$

これを先ほどの断面積Aに入れます。

$$A=\left({\frac{D\times 10^{-3}}{2}}\right)^2\times \pi$$

$$=\frac{D^2\times 10^{-6}}{4}\times \pi$$

準備ができたので抵抗の式のAに代入していきましょう。

$$R=\rho\frac{L}{A}=\rho\frac{L}{\frac{D^2\times 10^{-6}}{4}\times \pi}$$

$$=\rho\frac{L\times 4}{\frac{D^2\times 10^{-6}}{4}\times \pi \times 4}$$

$$=\rho\frac{4L}{D^2\times 10^{-6}\times \pi}$$

$$=\frac{4\rho L}{\pi D^2 \times 10^{-6}}$$

$$=\frac{4\rho L}{\pi D^2}\times 10^6$$

$$※\small{\frac{1}{10^{-6}}=\frac{1}{\left(\frac{1}{10^6}\right)}=\frac{1\times 10^6}{\left(\frac{1}{10^6}\right)\times 10^6}=10^6}$$

という事で、答えはイとなります。

№3

電線の接続不良により、接続点の接触抵抗が0.2Ωとなった。この接続点での電圧降下が2Vのとき、接続点から1時間に発生する熱量[kJ]は。ただし、接触抵抗及び電圧降下の値は変化しないものとする。

イ.72 ロ.144 ハ.288 ニ.576

解答と解説

答え:イ

電線の接続不良箇所を分かりやすく下図のようにしました。

抵抗が0.2[Ω]で、電圧降下が2[V]となっています。

熱量は電力に時間をかけたものでした。

まずはこの電力(送電損失分)を求めます。

電力の式を変えながら、分かっている数字を当てはめていきます。

$$P=I^2 R=\left(\frac{E}{R}\right)^2 \times R$$

$$=\frac{E^2}{R^2}\times R=\frac{E^2}{R}$$

$$=\frac{2^2}{0.2}=20[W]$$

続いて、時間を計算します。

1時間は60(秒)×60(分)で3,600秒です。

役者が揃いましたので熱量を求めます。

$$Q=Pt=20[W]\times 3,600[s]$$

$$=72,000[J]=72[kJ]$$

という事で、答えはイとなります。

令和4年度下期午前

№1

図のような直流回路に流れる電流I[A]は。

イ.1 ロ.2 ハ.4 ニ.8

解答と解説

答え:ハ

一見複雑な回路ですが、一つずつ攻略していけば簡単な暗算で答えを出すことができます。

まずは一番右の末端から整理していきましょう。

下図の青色部分を見てください。4Ωの抵抗が並列に接続されています。

並列回路の場合、合成抵抗は和分の積で求めますが、抵抗値が同じなので単純に半分で、2Ωになります。

続いて、今計算した部分と直列に接続されている部分を計算します。

直列接続は足し算で計算できますので、足して4Ωになります。

続いて、並列に接続されている4Ωの部分を計算します。

先ほどと同じように単純に半分の2Ωになります。

残りの抵抗2Ωを足して、合成抵抗は4Ωとなります。

電圧と抵抗の値がわかりましたので、オームの法則で計算すると、

$$I=\frac{V}{R}=\frac{16}{4}=4[A]$$

という事で、答えはハとなります。

№3

電熱器により、90kgの水の温度を20K上昇させるのに必要な電力量[kW・h]は。ただし、水の比熱は4.2kJ/(kg・K)とし、熱効率は100%とする。

イ.0.7 ロ.1.4 ハ.2.1 ニ.2.8

解答と解説

答え:ハ

まずは、問題文の用語の解説です。

問題文にある『20K』のKはケルビンと読みます。温度差1℃が1Kです。

水の比熱4.2[kJ/(kg・K)]とは、1kgの水を1K(1℃)上昇させるのに必要な熱量が4.2kJという意味です。

最後の熱効率100%については、通常であれば電熱器の周りの空気を温めてしまったり、他のエネルギーに変わってしまい、電気エネルギーの100%が水の温度を上昇させるためには使われないが、今回は100%で計算してください、という意味です。この問題ではスルーしましょう。

では問題を解いていきます。

先ほどの説明を当てはめて考えると、

『1kgの水で1K上昇が4.2kJ』でしたので、『90kgの水を20K上昇』させるには、90倍の更に20倍で

90×20×4.2=7,560[kJ]となります。

まだ安心できません。

解答すべき単位は[kW・h]ですので、変換する必要があります。

1[J]=1[W・s]、1[kJ]=1[kW・s]です。

単位が時間(h)ですので、

3,600[kW・s]=1[kW・h]で換算すると、

7,560[kJ]÷3,600で、2.1[kW・h]となります

よって答えはハとなります。

試験では電卓が使えません。

簡単に計算するには、最後まで計算を残しておくと(約分して効率化)良い場合があります。

今回の場合、

$$\frac{90×20×4.2}{3600}=\frac{9×2×4.2}{36}$$
$$=\frac{18×4.2}{36}=\frac{1×4.2}{2}$$
$$=\frac{4.2}{2}=2.1$$

といった感じで、計算方法を工夫すると簡単に答えが出せます。

令和4年度下期午後

№1

図のような直流回路で、a-b間の電圧[V]は。

イ.20 ロ.30 ハ.40 ニ.50

解答と解説

答え:イ

この回路の合成抵抗は、40[Ω]+60[Ω]=100[Ω]となります。

電圧は100[V]+100[V]=200[V]です。

オームの法則により、

$$I=\frac{V}{R}=\frac{200}{100}=2[A]$$

となります。

40Ωにかかる電圧は、オームの法則により40[Ω]×2[A]で80[V]となります。

200[V]あったものが、80[V]電圧降下するので、40Ωの抵抗を出た時点、

即ち、端子bでは120[V]になっています。

端子aの電圧を考えてみましょう。

2つの電源が直接直列に接続されており、その中間なので、端子aは100[V]となります。

端子aは100[V]、端子bは120[V]ですので、電位差は20[V]となります。

ちょっと分かりにくいかもしれませんので、グラフを使って解説します。(イメージです)

回路は区間が下図のように分かれているとします。

それぞれの区間の電圧(電位)をグラフにしました。

区間1で最高潮だった電位が、抵抗40Ωで80[V]下がり120[V]になります。

区間2では120Vのままですが、抵抗60Ωで120[V]下がり0[V]になります。

区間3は、すべての電気を使い果たし0[V]となり、電源のマイナスに戻るだけです。

電源1で元気(電気)をもらう事で、区間0では100[V]に上がりました。

グラフの通り、区間0(端子a)と区間2(端子b)の差が20[V]となります。

よって、答えはイとなります。

※せっかく接地されているので、そこ(区間0)をゼロ電位で書いても良かったのですが、簡単にするため今回はパスしました。

この解き方は電流を求めていますが、抵抗が40Ω、60Ωと計算がしやすい割合になっています。

という事は、全体の電圧の40%が40Ωの抵抗にかかり、残り60%が60Ωの抵抗にかかります。

ですので、40Ωの抵抗には200[V]×40[%]で、80[Ω]と簡単に算出することができます。

※あとの解き方は同じです。

№2

抵抗R[Ω]に電圧V[V]を加えると、電流I[A]が流れ、P[W]の電力が消費される場合、抵抗R[Ω]を示す式として間違っているものは。

$$イ.\frac{V}{I}  ロ.\frac{P}{I^2}$$

$$ハ.\frac{V^2}{P}  ニ.\frac{PI}{V}$$

解答と解説

答え:ニ

この手の問題は、一瞬何を言っているのかよく分からなくなりますが、公式を当てはめていけば解くことができます。

抵抗の式は、

$$R=\frac{V}{I}$$

電力の式は、

$$P=VI$$

です。

各選択肢の式に電力の式を当てはめていきましょう。

イの場合、

$$\frac{V}{I}$$

これは当てはめるまでもなく、そのままズバリで抵抗Rの式です。

ロの場合、

$$\frac{P}{I^2}=\frac{VI}{I^2}=\frac{V}{I}$$

となり、抵抗Rの式になります。

ハの場合、

$$\frac{V^2}{P}=\frac{V^2}{VI}=\frac{V}{I}$$

となり、抵抗Rの式になります。

ニの場合、

$$\frac{PI}{V}=\frac{VI\cdot I}{V}=I^2$$

となり、抵抗Rの式になりません。

よって、答えはニとなります。

№3

抵抗器に100Vの電圧を印加したとき、4Aの電流が流れた。1時間20分の間に抵抗器で発生する熱量[kJ]は。

イ.960 ロ.1920 ハ.2400 ニ.2700

解答と解説

答え:ロ

電力の式と熱量の式を使って解いていきましょう。

まずは、電力からです。

$$P=VI=100[V]\times 4[A]=400[W]$$

時間を分に換算します。

$$1[h]20[min]=60[min]+20[min]=80[min]=(80\times 60)[s]=4,800[s]$$

続いて熱量です。

$$Q=Pt=400[W]\times 4,800[s]=1,920,000[J]=1,920[kJ]$$

よって、答えはロとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の問題は、公式と電位のイメージがあれば解きやすい内容ではないかと思います。

計算問題の解き方は、人によって解きやすい方法が違うと思います。

私は計算が苦手なので手間がかかってもなるべく計算しないように解こうとします。

解説の解き方以外にも、自分に合う解き方でやっていただければと思います。

今回で直流関係の解説は終わりとなります。

次はいよいよ交流関係の解説に入っていきます。

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