【第2種電気工事士】取得解説 Vol.6 筆記編4 電気抵抗について・電線の鳥はなぜ感電しない?

今回は電気抵抗について解説します。

また、『なぜ電線にとまっている鳥は感電しないのか』についても解説していきます。

これが分かると、一部の筆記問題が理解しやすくなると思います。

導入編や以前の記事を読まれていない方は、まずはそちらの記事をご覧ください。

目次

電気抵抗について

電気を送るための配線には抵抗があります。

もちろん、めちゃくちゃ大きな抵抗というわけではありませんが、長い距離で配線を布設する場合はこの抵抗の積み重ねにより、その分回路に影響を及ぼしてきます。

直列に接続されている分、電圧降下が発生します。
直列回路では、電圧は分散されてしまう事を思い出しましょう。

抵抗の求め方

抵抗R[Ω]は次の式で求めることができます。

$$R=\rho\frac{l}{A}$$

$$ \rhoは抵抗率[\Omega\cdot m]、lは長さ[ m ] 、Aは断面積[ m^2 ]$$

ρは、物質により異なります。読み方は、ローです。
単位(Ω・m)を見て分かる通り、1メートルあたりどのくらい抵抗があるのかを表しています。
つまり、数字が大きいと電気を流しにくい、という事になります。

抵抗率と似たもので『導電率σ(読み:シグマ)[S/m]』というものがあります。

こちらは抵抗率の逆で、どれだけ電気を流しやすいかを表しており、抵抗率の逆数(1÷ρ)となります。

導電率の単位にある『S』は、抵抗の逆数でコンダクタンスというもので、ジーメンスと読みます。(G[ S ])

話は変わりますが、
もう遠い昔の話です。電気の筆記試験で、秒を求める答えの単位をSと書いたら、数字はあっていても単位が違うと先生から×をいただいたことがありました。
Sとsって手書きじゃそう変わらんやん、ここでジーメンスな訳ないでしょ、常識的に』と思いましたが、円周率=3.14と答えると怒る先生で、円周率≒3.14であり、イコールとニアリーイコール(近似)では違う、大文字小文字も然り、という事です。
皆さんもお気を付けください。

練習問題

では、早速令和3年度下期に出題された問題を解いてみましょう。

※試験問題は『一般財団法人 電気技術者試験センター様ウェブサイト』に掲載されているものを引用しています。

問題

電気抵抗R[Ω]、直径D[mm]、長さL[m]の導線の抵抗率[Ω・m]を表す式は。

答え

$$イ.\frac{\pi D R}{4L*10^3}  ロ.\frac{\pi D^2 R}{L^2*10^6}$$

$$ハ.\frac{\pi D^2 R}{4L*10^6}  ニ.\frac{\pi D R}{4L^2*10^3}$$

回答と解説はこちら

答え:ハ

解説:

抵抗率を表す式は、先ほどの抵抗を求める式を変形し、以下の式になります。
※量記号Lを小文字で記載していますが同じ意味です。

ここで、問題文には無いAがあり、問題文にはDがあります。
Aは断面積m2(平方メートル)、Dは直径mm(ミリメートル)となっています。
断面積は次の式で求めることができます。

半径は直径の半分なので、Dの半分(1/2)となります・・・が、焦りは禁物です。
直径の単位はミリメートル、断面積の単位はメートルなので、メートルに合わせる必要があります。
1ミリメートル=0.001メートルなので、0.001倍して先ほどの式に当てはめます。(0.001は10の-3乗)

底が同じ指数の掛け算は、指数を足すことができます。((-3)+(-3)=-6、10の-3乗の場合底は10)

ここで、10^-6を分母に移動しておきましょう。(指数の符号が逆になります。マイナス6→プラス6)

これで元の抵抗率の式に断面積Aを代入できるようになりました。
代入すると次の式になります。

分子にある分数が美しくないですね。4×10^6は移動しましょう。(分子と分母に4×10^6をかけます)

あとは、式を綺麗に形を整えます。

これで答えが『ハ』になりました。

鳥は感電していない?

町の電柱に架かっている電線には電圧がかかっているのに、鳥は感電して落下したり気絶せずに平然と辺りを見回したりしています。

なぜ平気でいられるのか、前回までの並列接続の考え方を当てはめると謎が解けます。

電気が流れる経路

電柱の電線にとまっている鳥の電気が流れるイメージは下図の通りです。

・通常、電線にかかっている電気は交流です。分かりやすいように細かい点は省略、変更しています。
・電源の右にある抵抗R(負荷)に電気を送り込んでいます。(照明の電球などと思ってください。)

電源から出た電流は、鳥の右足の部分で鳥に流れるルート(上の黄色矢印)と、電線に流れるルート(下の黄色矢印)に分かれ、鳥の左足で合流し、Rで消費され、再び電源に戻ってきます。

カギは抵抗の大きさと並列接続

これを電気回路図で示すと次のようになります。

Rrは電線の抵抗です。電気抵抗の所で解説したように、電線にも抵抗があります。
電線の抵抗(線路抵抗)は、本来は他の経路にも存在しますが、今回は省略しています

長距離の送電線、配電線になると若干の線路抵抗が結構な問題になります。
その対策として、変電所で大きな電圧に変換して送電しています。
※電圧を上げると線路の電流が小さくなり、線路抵抗で消費する電力(損失)を抑えることができます。
 →電流の2乗に線路の抵抗をかけた分が送電ロスになります。電流が小さいとロスを減らせます。

鳥とRrの抵抗の大きさを比べると、鳥の抵抗の方が極端にRrより大きい(鳥≫Rr)です。(鳥の抵抗が何オームかは分かりませんが、数千オームといったところでしょうか。)

このため、並列接続されていても殆どの電流がRr側に流れ鳥には電流はほぼ流れません。(厳密にいうと極めて小さい電流が流れます。)

電流が流れなければ電圧がかかっていても感電しない、という訳です。

具体的な説明は控えますが、これは鳥だからできる芸当です。
羽が無い生き物は電線に触れる時点で感電しますので、絶対に電線に触れたり、近づいてはいけません。
地表に落ちた電線も同様に触れたり近づいてはいけません。

(電気は目に見えません。停電しているように見えて充電しているかもしれません。)
もし切れている電線を発見したら、近寄らずに電力会社や警察に連絡しましょう。

まとめ

抵抗率の内容はちょっと細かい話になってしまいましたが、試験で出題されるようですので、式はしっかり覚えておいた方が良いでしょう。

鳥のお話は、試験問題でスイッチの操作によりどのような電気の流れになるかの解説で使えます。

今後も過去の問題を使いながら解説していきますので、ご期待ください。

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